わたしたちが生きる現代社会では、騒音が日増しに問題となってきています。
2011年に世界保健機関(WHO)は、騒音が原因で、西ヨーロッパの国だけで160万人の健康寿命が失われると推定しました。
音は、人の生理や心理、健康、行動に影響をおよぼします。
本記事では、音が人に与える影響について音の専門家の意見を取り上げました。
音が私たちに与える影響を、5分で説明しているTEDのプレゼンのご紹介します。
タイトルは “The 4 ways sound affects us“(音が人に与える4つの影響)05:46。
スピーカーはジュリアン・トレジャー(Julian Treasure)という、音のエキスパートです。彼は、音とコミュニケーションの専門家。これまでTEDに5回も登場しており、そのいずれのプレゼンも大好評。非常に人気のあるスピーカーです。
内容の要約
1. 生理的に与える影響
音は人間のホルモン(アドレナリンやコルチゾール)の分泌を促進(あるいは抑制)して、呼吸や心拍数や脳波になんらかの影響を与えます。不快な音が心拍数をあげたりするのとは反対に、波の音(毎分12回の周期)は癒しをもたらします。
2. 心理的に与える影響
音楽は私たちの感情に最も影響を与える強力な音です。また、鳥の鳴き声に耳を傾けてみましょう。どれくらい心の安らぎを感じるでしょうか?
3. 認知機能に与える影響
わたしたちは複数人の話を同時に理解することは(能力に優れている人を除いては)できません。わたしたちの音の処理能力は限られています。それゆえ騒音の環境下や不吉な音の下で働くと、認知機能がうまく働かず、生産性は66%低下するとされています。
4. 行動に与える影響
工事現場の騒音から逃げられない人は、著しく健康を損ねてしまいます。店の音がひどい場合(音楽なども含む)、お客さんがお店から出て行き店舗の売り上げが28%下がるそうです。
最後にビジネスで音を有効に使うためのゴルデンルール4つを教えてくれています。それは、動画でご覧ください。
ジュリアンはこの世界がもっと美しい音で満たされてほしい、人々に、音に対して、もっと意識を向けてほしいと願っています。
さらに、音の環境設計やコンサルティングもしています。
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トランスクリプト
Julian Treasure: The 4 ways sound affects us | TED Talk | TED.com